『バイオハザード レクイエム』を何周も遊んでいる。
一周目をクリアして終わり。
……には、ならなかった。
なぜなら、このゲームは周回するたびに面白さが変わるからである。
一周目は敵がどこから出てくるのか分からない。
謎解きも分からない。
弾薬は足りるのか。
このアイテムは今使ってええのか。
「あの部屋まだ調べてないんやけど……」
と思っても、先へ進んだら戻れない。
とにかくストレスが多い。
しかし、一度クリアすると全部ひっくり返る。
二周目では敵の位置を知っている。
謎解きの答えも知っている。
必要なアイテムも分かっている。
一周目で、
「ぎゃあああ!なんやこいつ!」
と逃げ回っていた場所へ、
二周目では、
「はいはい、お前ここから出てくるんやろ。」
と自分から向かっていける。
これが、めちゃくちゃ気持ちいい。
さらに三周目になるとアイテムを全部回収したくなり、四周目では効率のいい攻略ルートまで考え始める。
そして最後には、
「PC版の銃声も聞いてみたいな……」
とか言い出して別機種版まで欲しくなる。
一周目は恐怖。
二周目は解放。
三周目は探索。
四周目からは攻略。
『バイオハザード レクイエム』は、一度クリアして終わるゲームではなかった。
二周目の解放感のために、一周目を遊んでいる
一周目は、とにかくクリアするだけで精いっぱいだった。
敵がどこから出てくるのか分からない。
謎解きもすぐには解けない。
アイテムを見逃し、
「あそこ、まだ調べてないよな……」
と気になりながら先へ進む。
難易度も高く、何度もやられながら、ようやくエンディングまでたどり着いた。
だが、二周目は違う。
敵の配置も分かっている。
謎解きの答えも知っている。
どこに何があるのかも覚えている。
一周目であれだけ苦戦した場所を、今度はスムーズに突破できる。

この瞬間が、めちゃくちゃ気持ちいい。
一周目ではゲームに振り回されていた。
二周目では、そのゲームを知っている自分がいる。
敵が出てくる前から準備する。
必要なアイテムだけ拾う。
謎解きも迷わず終わらせる。
一周目でため込んだストレスを、二周目で全部返してもらっているような感覚になる。
わしの場合、この快感を知った時点で、
一周クリアして終わるゲームではなくなっていた。
三周目から完璧主義が始まる
ところが、二周目でも全部は終わらない。
二周目は二周目で、
「うわ、めっちゃスムーズに進めるやん!」
という気持ちよさがある。
敵をかわす。
謎解きを片付ける。
一周目で苦戦した場所を一気に抜ける。
これに夢中になっていると、
また何か見逃す。

そこで三周目。
今度こそ全部調べる。
入れなかった部屋。
拾えなかったアイテム。
使わなかった武器。
知らなかった仕掛け。
全部見たい。
「こんな敵おったんや!」
「こんなアイテムあったんか!初見でもったいなっ!」
「なんでわし、ここであんな時間かかっとったんや……」
遊び直すと、まだ知らないものが出てくる。
すると、
「ほかにも何かあるんちゃうか?」
となる。
これが三周目から始まる完璧主義である。

一周目は恐怖を味わう。
二周目はストレスを解放する。
三周目は、残っているものを最後の一滴まで絞り出す。
全部しゃぶり尽くしたくなるのである。
四周目には死ぬほどうまくなっている
さらに周回すると、今度は自分の上達が面白くなる。
敵がどこにいるのか。
どこを狙えばいいのか。
どこに立てば安全なのか。
いちいち考えなくても体が動く。
一周目では敵を見つけるたびに逃げていた。
弾薬がなくなるのが怖くて、
「こいつ無視した方がええんちゃうか……」
とビクビクしながら進んでいた。
それが四周目にもなると、
「あいつ、ここにおったよな。」
と自分から探しに行く。
立場が完全に逆である。
さらに、
「こいつ、ショットガン使わんでもハンドガンだけで倒せるんちゃうか?」
と考え始める。

強化したハンドガンで倒せれば、ショットガンの弾をボスまで残せる。
反対に、倒す必要がない敵は完全無視。
どの敵と戦うのか。
どこで弾薬を使うのか。
どの順番で部屋を回るのか。
頭の中に、自分専用の攻略ルートができてくる。
一周目では、
ゲームに攻略されていた。
それが周回すると、
こっちがゲームを攻略する側になる。
この変化がたまらん。
初見の恐怖とはまったく違う面白さである。
銃の音を聞きたいだけで、また起動する
それでも、わしが何周も遊んでいる理由は攻略だけではない。
このゲーム、銃の音がめちゃくちゃ好きなのである。
銃を構える。
カシャッ。
弾を込める。
金属音が鳴る。
引き金を引く。
ズドン。
この一連の音が気持ちいい。

敵を倒すために撃っているはずなのに、
いつの間にか、
銃を撃つこと自体を楽しんでいる。
そうなると厄介である。
PS5版を買った。
すると、
「PC版やったら、どんな音するんやろ。」
となる。
PC版も買う。
今度は、
「携帯機で手元から鳴ったらどうなんや?」
となる。
もう攻略関係ない。

画面もスピーカーも自分のすぐ近くにある携帯機なら、銃を構える音も、薬莢の音も、敵の声も距離感が変わる。
すでに何周も遊んだゲームなのに、
機種が変わるだけで、また確かめたいことが生まれる。
これはもう困ったもんである。
腹八分目で終わったから、二周目が始まった
最初に『バイオハザード レクイエム』をクリアした時、
ラスボスを倒したのに、
「あれ?今のラスボスやったんか?」
とすぐには分からなかった。
エンディングが始まる。
「え?終わり?」
ちょっと物足りなかった。
面白くなかったわけではない。
まだ遊び足りなかったのである。
『バイオハザード RE:4』くらいのボリュームをどこかで期待していたこともあって、思っていたより早く終わったように感じた。
でも後から考えると、この腹八分目がよかったのかもしれない。
一周目では探索できなかった場所がある。
取り逃したアイテムもある。
戻れなくなった場所もある。

「あの部屋、まだ調べてないんやけど……」
そう思っても戻れない。
クリアしたのに、
まだ全部遊び切っていない。
その感覚が残った。
だから二周目を始めた。

そして二周目を始めたら、今度は一周目で苦戦した場所を楽に突破することが面白くなった。
三周目では全部集めたくなった。
四周目では効率を考えるようになった。
さらに銃の音が好きすぎて、別機種まで気になり始めた。
最初は、
「ちょっと遊び足りんな。」
だったはずなのに、
今では一つのゲームに何個も遊ぶ理由ができている。
一周目では終わらなかった
わしにとって面白いゲームは、
一回クリアして満足するゲームではない。
また起動したくなるゲームである。
一周目では怖かった場所を、二周目では余裕で通り抜ける。
三周目では取り逃しを探す。
四周目では自分なりの攻略ルートを作る。
その先では、銃を撃ちたいだけで起動する。
別の機種でも遊びたくなる。
パッケージ版まで手元に置きたくなる。

『バイオハザード レクイエム』は、半年後に突然また遊びたくなったゲームではない。
一周目で残ったものを二周目で取り返そうとして、
二周目で新しい面白さを見つけ、
それを追いかけていたら、
そのままずっと遊び続けていたゲームなのである。
そして、たぶん次もまた起動する。
だって、まだ銃撃ちたいもん。
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