昔のベルトスクロールじゃなかった。初見プレイ『くにおくんの熱血西遊記 天竺乱闘編』評価・レビュー

昔のベルトスクロールじゃなかった。初見プレイ『くにおくんの熱血西遊記 天竺乱闘編』評価・レビュー

6月4日配信の『くにおくんの熱血西遊記 天竺乱闘編』。

深夜0時を回ったので、速攻で購入して遊んでみた。

価格は2970円。

現時点ではパッケージ版は見当たらず、ダウンロード版のみのようである。

前作『くにおくんの三国志』に続いて、今回は西遊記。

FC版『ダウンタウン熱血物語』や『時代劇だよ全員集合!』を遊んできたわしとしては、

「まあ、いつものくにおくんを西遊記にした感じやろ」

くらいに思っていた。

ところが始めてみると、思っていたよりずっと今風になっていた。

悟空もくにお。

八戒もくにお。

沙悟浄もくにお。

三蔵法師までくにお。

もう西遊記というより、

くにお遊記である。

ジャンルは「やり込み型ローグライトアクション」。

実際に黒風大王まで遊んだ感想を先に言うと、

ローグライトらしい育成や死亡リセットはある。

でもプレイ中に一番考えているのは、

「敵がおる。殴る。」

だった。

そこがちゃんと『くにおくん』で安心した。


そもそもローグライトって何なん?

最初に気になったのがこれ。

「ローグライトってなんや?」

わしの中のローグライト神によると、

ローグライト神「その冒険で得た強化は死ぬと失うこともあるが、拠点や恒久要素は少しずつ成長して次の挑戦へつながるゲームや」

なるほど。

わし、

「ああ、『アブソラム』みたいな感じか」

となった。

実際、本作も一回の挑戦中に強化を選びながら進み、ゲームオーバーになればその回の強化は失う。

その一方で拠点には新しいキャラクターや機能が増えていく。

だから、

失敗して全部ゼロになる

というより、

失敗しても少しずつ先へ進んでいく

という遊び方になっている。


見た目は昔のくにおくん、操作はかなり今風

今回はROG Xbox Ally Xでプレイ。

こういうドットグラフィックの軽いアクションゲームは携帯機との相性がええ。

迫力や超高画質を求めるタイプでもないので、

寝転んで遊べる。軽い。最高。

今回、悟空ことくにおはパンチやキックではなく、如意棒を振り回して戦う。

基本操作はこんな感じ。

  • X:弱攻撃
  • Y:強攻撃
  • Y長押し:気力を使うチャージ攻撃
  • A:高速ステップ
  • B:仙術

初期仙術では分身を使える。

見た目は昔ながらのくにおくん。

でも敵の背後から攻撃すると弱点攻撃になったり、高速ステップで位置を入れ替えたりできる。

Aの高速ステップは左右だけではなく、上下にも使える。

これがめちゃくちゃ便利。

2Dベルトスクロールだからといって、

横にだけ動いて殴るゲームではない。

敵の背後へ回る。

チャージ攻撃を入れる。

またステップで離れる。

強化によっては、ステップしながら雷トラップまで仕掛けられる。

昔のくにおくんから、えらい進化したもんじゃ。


それでも殴った時の感触はちゃんと「くにおくん」

システムは今風になっている。

でも敵を殴ると、

「なめてんじゃねーぞ!」

そして、

「がくっ♡」

これである。

SEも聞き覚えのある、あのくにおくん。

「ああ、ちゃんとくにおくんや」

となった。

操作や育成システムは変わっても、殴った時の気持ちよさやノリは残っている。

こういうのがエモいっていうんやろか。


実は「右へ進み続ける」ベルトスクロールではない

一番イメージと違ったのが、ゲームの進み方だった。

わしは『ファイナルファイト』のようなゲームを想像していた。

敵を倒す。

右へ進む。

また敵を倒す。

さらに右へ進む。

昔ながらのベルトスクロールアクション。

でも『くにおくんの熱血西遊記 天竺乱闘編』は違う。

基本的な流れは、

エリアへ入る
→ 敵のウェーブを倒す
→ 報酬や強化を選ぶ
→ 次のエリアへ進む

という形。

感覚としては『イースX』などにあるウェーブ戦を、2Dアクションへ持ってきたような感じだった。

長い道を歩き続ける時間が少ない。

エリアへ入ったらすぐ戦う。

倒したらすぐ次。

これがめちゃくちゃテンポいい。

「もう1エリアだけ」

が発生しやすい。

携帯機で遊んでると、なおさら止まらん。


神仙による強化で毎回少し違う育成になる

ステージを進めたり、小ボスや中ボスを倒したりすると神仙が登場する。

ここで面白いのが、歴代くにおくんキャラクターが神仙役として出てくること。

みさこ。

まみ。

にしむら。

しんじ。

すがた。

「お前ら神仙になったんかい」

となる。

神仙からは複数の強化候補が提示され、その中から一つを選ぶ。

チャージ攻撃を強くする。

仙術を強化する。

錬丹の術を取る。

HP回復系を取る。

どれを選ぶかで、その回の戦い方が少しずつ変わる。

だから毎回同じ能力で進むわけではない。

とはいえ、

「完璧なビルドを組まなければ詰む」

みたいな難しさではなかった。

わしなんか途中から、

「うーん、こっち強そう。はい決定。」

くらいである。

そして次のエリアへ入る。

敵がおる。

殴る。

結局これである。


エリア報酬では「お金」か「最大HP」などを選ぶ

エリアを突破すると、報酬を選べる場面もある。

たとえば、

お金を取る。

または、

最大HPを増やす。

ボス戦まで少しでも安定させたいならHP。

後の買い物や強化へ備えるならお金。

選択自体はかなり分かりやすい。

ローグライトと聞くと、

「複雑なビルド考えなあかんの?」

と身構える人もいるかもしれない。

でも序盤を遊んだ限りでは、そこまで難しく考えなくても進められた。

迷う時間が短いからテンポも崩れにくい。


ゲームオーバーになっても拠点は少しずつ変化する

挑戦中に獲得した強化は、ゲームオーバーになると失われるものもある。

でも全部が無駄になるわけではない。

失敗を重ねるうちに、拠点へ新しいキャラクターが追加されていく。

行商人。

観世音菩薩。

桃園天女。

その回の強化は消える。

でも拠点側では少しずつできることが増えていく。

ここで、

「ああ、これがローグライトなんやな」

と分かってきた。

一回失敗して終わりではない。

また挑戦する。

前より少し状況が変わっている。

だから自然と、

「もう1回いくか」

となる。


ローグライトになっても、結局「まず殴れ」

神仙による強化がある。

報酬選択がある。

死亡時のリセットもある。

拠点も発展していく。

かなり令和のゲームっぽい。

でも、プレイしている時のわしの頭の中は、

「この強化とこの強化を組み合わせて最適ビルドを……」

ではなかった。

敵が出てくる。

「あっ敵がおる!」

殴る。

敵が強い。

「もっと殴る!」

敵、

「がくっ♡」

そもそも『くにおくん』は昔から、

まず殴れ。

で成立してきたゲームである。

そこへローグライトの仕組みを載せても、根っこの部分は変わっていなかった。

だから遊んでいて、

ローグライトの皮をかぶった『ダウンタウン熱血物語』

みたいに感じた。


黒風大王まで遊んでも、ちゃんと「くにおくん」だった

黒風大王(くまだ)まで倒した時点での感想を一言でまとめるなら、

『アブソラム』っぽいシステムはある。でも頭を使うより先に拳が出る。それがちゃんと『くにおくん』だった。

これに尽きる。

神仙による強化。

死亡時のリセット。

拠点の発展。

今風の仕組みはいろいろ入っている。

でも、戦闘が始まるとそんなことは一旦忘れる。

敵がおる。

殴る。

これが気持ちいい。

エリア制なので区切りもつけやすく、テンポもかなり軽快。

「あと一回だけ」がやりやすいので、携帯機との相性もかなりよかった。

神仙……?

ビルド構築……?

はいはい。

くにお、

「関係ねぇ!全員ぶっ倒す!」

敵、

「命だけはお助けを~!」

「がくっ♡」

たぶん、それが『くにおくんの熱血西遊記 天竺乱闘編』の正しい遊び方なのだろう。


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